こんにちは！
ぶっでぃです^^
今回は、結合論（その２）「化学結合の種類と、分子軌道」をテーマにお伝えしていきます。
※結合論については有機化学の学習において「基礎中の基礎」となる重要な箇所ですから、かなり重点的にお伝えしています。
※なお、ここで述べることの理論的根拠は量子化学で学びますから、楽しみにしておいてください。
目次
結合の種類
ポイント１ 結合の種類
- （再掲）化学結合のうち、最外殻電子を、お互いの原子核間の空間に持ち合う（＝共有する）形態を持つ結合を、共有結合と呼ぶ
- （再掲）化学結合のうち、最外殻電子を、片方の原子核に引き寄せられ（＝陰イオンとなる）、他方の原子核には本来の電子数(原子番号)より少ない電子しかない状態（＝陽イオン）となる結合様式を、イオン結合と呼ぶ
※原子核は陽子（正電荷）と中性子（電気的中性）によって構成されているため、電子が不足すると、原子全体は正電荷を帯びる
※イオンとなる場合は、最外殻電子のやりとりによって、オクテット則による安定化(＝最外殻電子を見かけ上8個にして安定化する作用) が引き起こされる場合がほとんどである。
※イオン結合は、互いの原子同士がクーロン引力で惹きつけられる。
ポイント２
化学結合には共有結合とイオン結合の外にもいくつか種類があるが、有機化学でひとまず重要なのはこの２つである。
共有結合で形成される「分子軌道」の種類
ポイント１ 結合の種類
- 結合とは最外殻電子同士のやり取りである
ポイント２ 原子軌道
- 原子番号（＝単独で存在するときの陽子＆電子の数）ごとに元素名が定められている。
- 電子は、定められた各々の「原子軌道」に対して、定められた順序で収められていく。
※電子が原子軌道に収められる順序は下図①、②、③、④のとおり。
- s軌道は1つ、p軌道は3つ存在する。
- 1つの軌道に対して2つの電子が入ることができる。各々の電子のスピン方向は逆向きである。
- p軌道のように複数存在する軌道（＝エネルギー準位が等しい軌道）では、各々の軌道にまず1個ずつ電子が入る（片方が0個、他方が2個入る、ということはあり得ない）。すべての同準位軌道に電子が1個ずつ収まったのち、電子2個が収容された軌道が生成する。⇒フント則
- 文章だと分かりにくいと思うので、下図参照。
※エネルギー準位が各々異なる1s⇒2s⇒2pは、エネルギ順位の低い準位から順に、スピン対（＝2個の電子対）を形成してから、さらに高準位側の原子軌道に電子が収まる。
※一方、エネルギー順位が同じである3つの2p軌道間では、まず全ての準位に電子が1個ずつ収まったのちに（C, N参照）、スピン対が形成されていく（O参照）。
ポイント３ 分子軌道
- ２つの原子が一定距離まで近づくと、お互いの原子が元々有していた原子軌道同士が相互作用する。
- 特にエネルギー準位が近い原子軌道同士が相互作用することにより、新たな軌道（＝分子軌道）が形成する。
※このとき「結合性軌道」と「反結合性軌道」が形成するが、ここでは最外殻電子が収まる軌道を話題にしているので、電子は全て「結合性軌道」に収まり、結合を強めるものとして話を進めたい。 - 基本的には同種の原子軌道同士が分子軌道を形成するが、似たエネルギー準位をもつ原子軌道同士であれば、異種の原子軌道同士であっても縮重し、新たな結合を作り出す。有機化学では、これを混成軌道と呼ぶことが習わしとなっている。
- 有機化学で最も多いのが、2s軌道（1つ）と2p軌道（3つ）の混成。この2つは主量子数が等しく、エネルギー準位が似ているので、極めて混成しやすい。
- 具体例は、sp3混成軌道、sp2混成軌道、sp混成軌道。これに原子軌道である（＝混成していない）s軌道とp軌道がよく出てくる。
- s軌道は原子核を中心に据えた球形となる。
- p軌道は原子核を挟んでアレイ型となる。
- sp3、sp2、sp3軌道は原子核を挟んで偏向アレイ型となる（実質は原子核から1方向に延びると考えると分かりやすい）
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