この記事の要点
- アルケンの求電子付加反応の続きとして、「共役ジエンへの付加」を解説する。
- 共役ジエン(二重結合と単結合が交互に並ぶ)に酸が付加する場合、通常の1,2付加生成物だけでなく、1,4付加生成物も得られる。
- これは、反応中間体として生成するカルボカチオンが共鳴により、1,2位と1,4位の両方に陽性電荷を持つためである。
- どちらの生成物が優先されるかは、「温度条件」によって決定される。
- 低温(0-20℃)では、活性化エネルギーが低い1,2付加が優先する(反応論的支配)。
- 高温(40℃)では、よりエネルギー的に安定な1,4付加が優先する(平衡論的支配)。
こんにちは!
ぶっでぃです^^
アルケンの主たる反応である求電子付加反応について、続きを行っていきます。
今回のテーマは「共役ジエンへの1,4付加」です。
共役ジエンとは、その名のとおり、
- ジエン:2つの(ジ)二重結合を持つ(エン)
- 共役:二重結合と単結合が、交互に配列している
という意味です。
共役ジエンに対して、前回説明したような酸の付加が起こると、どのような生成物が得られるのでしょうか?
…普通に考えると、1,2位の炭素に対してMarkovnikov付加が起こると考えるのが自然ですよね?
ところが、そうはならないのです。
実際の生成物は1,2位のみならず、1,4位への付加生成物が得られます。
これは、共役ジエンに対して、まずは通常のMarkovnikov機構でプロトンが付加した後、
1,2位および1,4位、両方のカルボカチオン中間体が生成しうるためです。
このカルボカチオン中間体のうち、
どちらが優勢になるかは、温度条件によります。
温度が低い(0-20℃付近)場合
1,2位カルボカチオン中間体にアニオンが付加する反応の、
活性化エネルギーの山は越えられるが、
一方で1,4位カルボカチオン中間体にアニオンが付加する反応の、
活性化エネルギーの山を越えられるほどのエネルギーを、反応系に与えることができない。
よって、1,2付加生成物が選択的に得られる。
これを、反応論的支配と呼びます。
温度が高い(40℃付近)場合
1,2位カルボカチオン中間体と、1,4位カルボカチオン中間体とでは、
後者の方が平衡論的に有利である(=エネルギー的に安定である)
よって、1,4付加生成物が選択的に得られる。
これを、平衡論的支配と呼びます。
詳しくは動画をご覧ください^^
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