【医学部編入】有機化学講義009「アルカンその1 分子の性質と物性」

 


こんにちは!

ぶっでぃです^^

さて、今回から官能基ごとの学習に入っていきます。

まずは、基本中の基本、「アルカン」からです。

今回のテーマは「分子の性質と物性」です。

有機化学は官能基や分子の構造・性質から、化学的構造を推論していくことが大事なります。

この講義では、アルカンのみならず、他の有機化合物にも当てはまる原理原則を取り扱っていくので、

しっかり修めるようにしてください。

アルカンのうちから、これを丁寧に行うことは

今後あなたが有機化学を学習していく上での洞察力を与えることに繋がりますので、

ぜひしっかり押さえるようにしてください。

目次

分子の性質

ポイント1 アルカンとは

  • 原子はCとHのみからなる
    ※これを「炭化水素」という
  • 結合は単結合のみからなる。
  • つまり、単結合のみからなる炭化水素を、アルカン とよぶ

トピック① 「飽和」について

※ 鎖状の炭化水素は、Cに対してHが結合できる最大数だけ付加する。Hの結合数が飽和していると言う意味で、「飽和」炭化水素と呼ばれる。
※ 一方、分子形状が環状だと、Cに結合するH数は飽和ではないので注意が必要。ためしにシクロヘキサンの構造式と、ヘキサンの構造式を描き、H数を比較してみよう。環状分子の水素の数は、鎖状分子よりも2個少ないことがわかるはずである。実際のところ、分子内の環の数ごとに水素数が2個だけ減少する。

トピック② 「元素ごとの結合数」について

各元素の結合数(原則。例外あり)を念のため復習しておくと、以下のようになる。
※特記ない場合、原則として形式電荷が0の場合(=イオンやラジカルではない通常の分子の場合)

  • 炭素C 結合数4 ※例外あり。2のときもまれにある。これをカルベンという。後述
  • 水素H 結合数1
  • 窒素N 結合数3 ローンペア1個
  • 酸素O 結合数2 ※ローンペア2個
  • ハロゲンCl, Br, F, I 結合数1 ※ローンペア3個
  • 硫黄S 結合数2 ※ローンペア2個
  • リンP 結合数3 ※リン酸イオンのときは結合数5。後述
  • ホウ素B 結合数3

こうなる理由は、>>既出の講義を参考に、あなた自身で考えてみて欲しい。

ヒント: 最外殻電子は何個か? その個数から、何個の共有結合を作れそうか?

ポイント2 電気陰性度

  • 分子中にCとHしかなく、互いの電気陰性度差は小さい
  • 結合も単結合のみであるため、電子(=負電荷)の局在もない
    ※二重結合や三重結合になると電子密度が高くなる。後述。

ポイント3 形式電荷

  • 形式電荷は、どの原子もゼロ
    ※いまいちど、>>既出の講義を参考に、たとえばメタンCH4やエタンCH3CH3の形式電荷を算出しておくと良い。

ポイント4 電子雲が存在しない

  • 全ての結合は単結合のみ(=σ結合のみ)なので、電子雲が存在しない
    ※ここでいう「電子雲」とは、π結合で形成される分子軌道の空間的広がりのこと。この広がりにおいて電子が存在するので「電子雲」とよばれる。π結合の意味がわからない場合は、>>既出の講義を参照のこと。

物性と化学的性質(=分子の性質からの推論として)

ポイント1 反応性に乏しい

  • 「形式電荷がゼロ」「電子雲が存在しない」ことに起因して、反応性が乏しい。
    ※有機化学反応とは、つまるところ

    (有機化学反応)=(結合の変化)
    =(最外殻電子のやり取り)
    =(「分子内電荷の偏り」同士のクーロン引力)

    である。このことから、分子内に電荷の偏りや電子の偏りがないアルカンは、反応性が極めて乏しい、といえる。

ポイント2 分子間相互作用が小さい

  • 形式電荷ゼロ、電気陰性度の差が(ほぼ)ゼロ、ということは分子間でクーロン引力が殆ど働かないと言うこと。
  • とはいえ、分子間相互作用(※)がまったくないか、というとそうではない。微弱ながら「ファンデルワールス力」が働く。
    ※ここでは「分子間相互作用」を「分子間引力」という意味合いで用いる。「引力」の方が直接的だが「相互作用」という語も広く普及しているのであわせて親しんでおきましょう。
  • 電子雲とは、そもそも電子が存在する空間的確率分布である。これを時間で切り出すと、確率論的に電子の場所が特定される。ファンデルワールス力は、この「分子のスナップショット」における電子の偏りによって生じる、瞬間的かつ微弱な分子内電荷局在が原因と考えられている。「瞬間的かつ微弱な電荷分布」をもつ炭化水素同士が近づくと、局所的な微弱電荷の正負がひきつけあう。これがファンデルワールス力の正体。
  • ファンデルワールス力は、イオンや分子内の電子偏りがある分子(=極性分子という)ほどの相互作用力はもたない。
  • ゆえに、イオンや極性分子はそれ同士、炭化水素はそれ同士が相互作用する。その結果、極性物質と非極性物質を混在させても、いくらか時間がたつと両者が分離するのである。水と油が交じり合わないのはこれが原因。
    ※これを説明するメカニズムは、相互作用する順序・時系列で考えると理解しやすい。相互作用の強いイオンや極性分子同士は、互いの引力が強いので、最初に正負の電荷でひきつけあう。その後、「残った」相互作用の弱い分子同士が相互作用するのである。
    ※なお、非極性部位と極性部位が混在する物質が介在することで、両者が混じりあったり、ミセルを形成したりする。この介在物質を界面活性剤とよぶ。

ポイント3 疎水性相互作用

  • 上述したファンデルワールス力であるが、分子が巨大になると、分子同士の「接触面積」が大きくなるので、正味の相互作用はそれなりに大きくなる。いわば、大きな炭化水素分子(=疎水性分子、脂質分子)は、群れることで安定化する。これを疎水性相互作用という。
  • 生命科学において非常に重要な相互作用なので覚えておくこと。

ポイント4 長鎖かつ直鎖(=分枝しない)だと沸点が高い

沸点とは、沸騰する温度のこと。

沸騰とは、液体から気体になる現象(=蒸発)のうち、液体のバルク内でも気体が発生してしまうくらい蒸発速度が高まっている状態のこと。
※具体的には飽和蒸気圧と外圧(=大気圧など)が等しくなったときに生じる。以後、特に断らないかぎり大気圧下であることを前提に議論を行う。

液体から気体になるには、分子間の相互作用(=引力)を引き離す必要がある

上に述べたファンデルワールス力の作用により、長鎖かつ直鎖だと沸点が高い。

このメカニズムは直感的には以下のイメージで考えると良い。

  • 長鎖の場合、接触面積が大きく、ファンデルワールス力↑、沸点↑
  • 短鎖の場合、逆のことが起こる。
  • 直鎖(=分子が枝分かれしない)の場合、接触面積が大きくなり、ファンデルワールス力↑、沸点↑
  • 非直鎖(=分子が枝分かれする)の場合、直鎖の場合よりも分子間で「触れ合える面積」が小さくなる。その結果、ファンデルワールス力↓、沸点↓

以上、

長鎖かつ直鎖(=分枝しない)だと沸点が高い

・・・は、有機分子共通の性質であるのでよく覚えておこう

この共通性質を踏まえたうえで、官能基の種類・有無による

相互作用の変化 → 沸点変化 も議論できようになるからである。


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