【医学部編入】受験勉強にかける勉強時間はどれくらい!?科目別の成長曲線を徹底検証!

こんにちは!

ぶっでぃです^^

本日も、皆さんから寄せられた質問に答えていきますね!

先日頂いた質問はこういったものでした。

ぶっでぃさんは、トータルの勉強時間はどれくらいでしたか?

また、科目ごとに、合格までに必要な勉強時間

どれくらい考えたらいいでしょうか?

このたびも、

大変有意義なご質問をいただきありがとうございました!

このご質問は、言い換えると次の疑問のようになるのではないでしょうか。

(自分が確保できる総勉強時間)

=(今日この時点から試験当日までの日数)

×(自分が一日当たりに確保できる勉強時間)

は、果たして合格までに必要な勉強時間を確保できているのか?

十分な時間が確保できない状態では、

今やっていることを続けていても

本番までに十分な実力をつけられない可能性が高くなります。

ですので、

そもそも自分は必要な時間が確保できているのか?

という問いに対して、明確な答えを知っておかないと、

漠然とした不安のもとに日々を過ごすことになり、

集中力が低下し、日々の勉強のパフォーマンスが

低下してしまうことになります。

いうまでもなく、勉強のパフォーマンスが下がると、

かけた時間が同じであっても学力・実力は思うように伸びません。

そうなった先は・・・あまり考えたくないですね。

また、働きながら受験されている方に多いのですが、

フルタイムで働くと、どうしても受験勉強に専念している人よりも

1日に確保できる勉強時間は少なくなります。

このことを気にして、

自分は勉強時間も少ないし、

勉強に専念するトップ層に比べて実力も付きにくいだろうから

いわゆる難関大学への受験はあきらめようかな・・

と思ってしまう方が多いです。

(実際、そう思われて志望大学のレベルを下げてしまっている方も、

僕に連絡してくれた方の中にはいらっしゃいました)

しかし、本当は十分な勉強時間を確保できているのに、

見かけ上の勉強時間の少なさ

(=一日に確保できる時間の少なさ)

に目を奪われてしまい、

いたずらに理想を下げてしまうのは

非常にもったないことだと僕は思います。

もし、あなたが医学部に編入するために必要な時間がわかれば、

【本日から受験当日までの日数】と、

【一日当たりに確保できる勉強時間】の掛け算から、

必要な勉強時間が確保できるか判断できるはずです。

そうすれば、受験タイミングや志望大学などを、

本来のあなたの望み・理想に近い形で選定できるようになる

と思うのです。

この記事では、医学部編入試験に合格するためには

トータルでどれだけ時間が必要かについて

書いていきたいと思います。

また、同時に、

各教科への勉強時間の配分を考える上で優良な判断基準を提供してくれる、

科目別の成長曲線についても、

同時に触れていきたいと思います。

目次

ずばり!必要な勉強時間にせまる!

ぶっでぃや、周りの実績 ~ひとつのスタンダードとして~

僕の身の回り、

つまり阪大の合格者たちの話を聞くと、

一番多いのが1000~1500時間程度で合格したというものでした。

多い人では、2000時間程度の勉強時間という方もいらっしゃいました。

※就職してしばらく期間が経過している場合など、現役時からのブランクが長くなるほど自分の専門能力を掘り返すまでに時間がかかる傾向(?)があるようです。この辺りは検証していないので、申し訳ございませんが、仮説段階の話ということでお願いいたします。とはいえ、ありそうな話ではあります。

僕を含め、合格者のほとんどは、

大学での専門がありますので、

たとえば4科目型のうち1科目は習熟した科目があります。

また、僕と違って皆さん英語ができましたので・・・

英語+理系の何らかの科目という、アドバンテージ2つという状態から、

1200±200時間で合格した、というのが

一つのスタンダードと考えてよいでしょう。

僕も上記のスタンダードの範囲に収まっています。

まず、英語がTOEICスコアが520だったので、

英語はアドバンテージとしてカウントしません。

アドバンテージは有機化学1つだけです。

※大学院時代も、高専時代に身に着けた有機化学・数学の素養を武器とした研究を行い、学位を取得しました。物理学(力学、電磁気学、熱力学、量子力学)および物理化学(化学熱力学、量子化学)に関しては、ほとんど素人という状態のまま、卒業してしまったことを今でも悔やんでいます。

勉強時間としては、ほぼ半年間(=6か月)、

毎日平均して8時間程度の勉強時間を確保し、

週休1日(=週に6日間勉強)で勉強しておりましたので、

総勉強時間は 6ケ月 × 25日/月 × 8時間/日 = 1,200時間

となります。

ちょうどスタンダードの中央値ですね。

なお、以上では4科目型でスタンダードを示しましたが、

2科目型であっても同じくらいの勉強時間が必要であると

考えたほうがよいでしょう。

というのも、2科目型の場合、

生命科学を中心に、集中して力をつけてきた猛者が集中するため、

必要とされる学力レベルが高くなる傾向にあります。

また、後程述べるように生命科学の成長曲線は、

基本的に学習後半で伸び悩む傾向にありますので、

猛者たちと対等に渡り合い、差をつけるに至る学力・対応力を身に着けるには、

2科目型であっても4科目型と同様の時間をかけたほうが良いと思われます。

ですから、もしあなたが2科目型を受験する場合であっても、

目安の勉強時間として1200時間程度は確保したほうが良いです。

ちなみに、このサイトでは、極力4科目型の受験を選択されることをお勧めしています。

というのも、2科目型では生命科学の配点が全体に占める割合が高いのですが、

後程述べるように生命科学は学習後半で点数が伸び悩むので、

他の受験生に差をつけるほどの実力をつけるために、多大な時間を要すからです。

一方、4科目型では、生命科学の配点が全体に占める割合は、全体の1/4〜1/3程度です。

そして生命科学は、学習前半で知識をしっかり習得しておけば、

合格するに足る「そこそこ」の点数を取ることができます。

そして、数物・化学もまた基礎を固めれば大きな得点源になります。

ゆえに、4科目型も2科目型と同程度の時間・労力で

他の受験生と差をつけることができます。

さらに、4科目型のほうが競争相手は少なくなる傾向にあるので、

他の受験生との相対差が同程度であれば、合格する公算は4科目型のほうが高くなるのです。

スタンダードをあなたに当てはめてみましょう

では、上記のスタンダードが明らかになったところで、

次に、あなたに当てはめてみましょう。

あなたに当てはめるためには、

今現在、あなたのスタート地点はどこにあるかが重要になります。

  • ケース1 理系修士了の場合

たとえば、あなたが

理系院卒の方であり、英語がそれなりに得意 or TOEIC800ホルダー

ということであれば、アドバンテージは2科目です。

そうなると、多くの合格者のように、

合計で1,200時間程度確保できるか?ということが重要になってきます。

  • ケース2 文系学部卒の場合

もし、あなたが文系卒で英語が得意であれば、

アドバンテージは英語のみということになります。

もし2科目型の受験に絞るなら、そこから勉強し始めたとしても、

理系と変わらず、1200時間程度あれば合格します。

実のところ、僕の知り合いの文系の方からお話を聞く限りですが、

2科目型、4科目型関係なく、

効果的に勉強を進めている文系出身の方は、1200±200時間の範囲に収まりました。

理系が、高校時代の履修や、数学力によって有利、というのは幻想なのかもしれませんね。

ただし、あなたが4科目型の受験を考える場合は、

物理・化学を学び進めるための道具として、最低限の数学の理解が必要になります。

しかし、「最低限の数学」を学ぶための時間はせいぜい100時間もあれば足りると思います。

さらにいうと、医学部編入試験では、大学レベルの物理・化学が課されるので、

高校レベルの物理・化学の履修は不要です。つまり理系であるアドバンテージは小です。

※なぜなら、本来の大学レベルの物理・化学は、高校での学修を前提としない、独立した単元だからです。その証拠に、全国の工業高専の学生は、自分の専門科目に関連する物理学・化学については、中学校卒業直後にもかかわらず、いきなり大学レベルの理解から入ります(だからいきなりの変化に多くの学生が戸惑い、悲鳴を上げることにもなるのですが・・)。

ですので、この場合は、トータル勉強時間を1200+100=1300時間確保できるか?

ということが重要となってきます。

僕としては、合格までに必要なトータル勉強量が

100時間(全体の8%程度)しか違わないのであれば、

多くの受験者が避けたがる or 受験していたとしても対策不十分な人が多い、

4科目型の受験をお勧めしたいと思います。

たとえあなたが文系であっても、です。

◆◆ 文系であっても、4科目型の勉強時間が理系+100時間でよい根拠 ◆◆

「4科目型の受験では理系が有利」というのは、よく言われることですが、

何をもって有利か?ということはあまり定量的or定性的に議論されません。

実のところ、理系の人が物理学、化学、生命科学のすべてに精通しているなどありえません

ただ、数学を用いて大学理系科目を学んだ経験があるというのが、有利さの理由です。

(これについては>>コチラの記事で詳しく議論しています)

(ただし経験済みの科目については、結構強いです)

しかし、編入試験の物理・化学は大学レベルであり、

高校で物理・化学の履修とは無関係です。

(少なくとも僕のような高専卒業生からはそう見えます)

さらに、ほとんどの理系出身者も、すべての大学理系科目に精通しているわけではないですから、

スタートラインはそう違わないはずです。

さらにいうと、医学部編入に必要な物理学・化学の範囲を、

フォローするのに必要な数学力はそこまで高くありません

あなたは、高校時代、

最低限の線形代数微積分三角関数指数関数対数関数は学んでいるはずですよね。

そこから加えて必要な学識は、

ベクトル解析重積分偏微分線形微分方程式です。

医学部編入試験において、数学は、

物理・化学の概念理解ができるための道具、です。(数学を出題する大学を除く)

そのため、数学そのものの問題演習に専念する必要はまったくありません

具体的には、各単元の基本的な数式展開法を理解し、例題が解ければ、

早々に物理・化学の学習に進んでよいのです。

そういうことであれば、

道具としての数学を学ぶのに、高校時代の数学を思い出すのも含めて、

せいぜいかけても+100時間もあれば十分でしょう

(試験において求められる数学力とは、「数式展開への慣れ」をいいます。

数学の勉強に時間がかかるのは、問題演習して本番形式に慣れておく必要があるからです。

しかしここでは、概念理解だけして、演習は不要なわけです。

数式への慣れは、物理・化学を手を動かしながら学ぶうちに身につきますから、それで十分です)

科目別の成長曲線

さて、トータルの勉強時間が明らかになったところで、

今度は科目別の勉強時間が気になってきたのではないでしょうか?

というのも、現時点でどの科目を重点的に勉強すべきかは、

人によって異なるからです。

これは、特に4科目型において重要な議論になってきます。

実際のところ、医学部編入では、科目別の時間配分が合否を分けます。

「あなたが、これまで何にどれだけ学習時間を割いてきたか?」

これによって、現在から未来にかけて割くべき学習時間の割合は変わってきます。

幸いなことに、医学部編入学試験で課される試験科目は、

適切な方向性で時間をかけて取り組めば、

必ず点が取れるようにできています。

これは、物理・化学・英語・生命科学など、科目を問いません。

だからこそ、時間配分が、あなたの合否を分けるのです。

そこで、ここでは科目別の成長曲線を考えます。

この成長曲線では、

  • 今あなたは、どの立ち居地にいるのか?理想的な学力との差異はどの程度か?
  • 学習の過程で、どのような実力の変遷を経るのか?
  • 科目ごとにどこまで鍛え、極めればよいか?

が明らかになります。

そして、これらが分かれば、

トータルの勉強時間に対して、各科目が占めるべき割合が、

かなり高精度で明らかになります。

成長曲線とは?

成長曲線は、2次元のグラフです。

横軸に時間、縦軸に学習効果(模試の点数など)を表します。

たとえば、人間が何かの動作や作業を学習するとき、

その作業精度(縦軸)は、時間(横軸)に対して指数関数の形をとるといわれています。

これは1種の成長曲線です。

では、医学部編入試験において、

各科目の成長曲線はどのようになっているのでしょうか?

これから一つ一つ解説していきます。

生命科学の成長曲線

生命科学の成長曲線は、対数関数型を示します。

つまり、時間に対して最初は急勾配で進みますが、

途中で学習効果が飽和してくるということです。

これは、生命科学の学力が、

初期のうちは身につけた知識量・理解量に比例するからです。

知識・理解を極めると、

生命科学では定番の、穴埋め・知識記述型問題に完璧に対応できるようになります。

実例を挙げると、僕が生命科学テストバンクを反復し、完璧にこなせるようになった時点で、

KALSの模試偏差値は66.6となっていました。

※意外とみんな知識の定着レベルが低いということか!?と当時は驚きましたが、「自分も行けるんだ」と感触をつかめたのは嬉しかったです。同時に、テキストやワークブックで問題演習を重ねたKALS生より、知識の着実な定着を優先したほうが合格する確率は高まることを確信した瞬間でもありました。
※なお記述型問題には一定のルールを守った上でなければ得点は難しいです。これについては、別記事にまとめていきます。

ただし、その後、学習効果は急に伸び悩みます。

なぜかというと、生命科学には、実験考察問題があるためです。

そしてこの実験考察問題が実に厄介なのです。

というのも、穴埋めや知識記述型問題は対応するのが比較的容易ですが、

実験考察問題は出題のバリエーションが

実に実に実に多彩!

定番の対策テンプレが存在しないのです。

このような問題にはある程度の数をこなして慣れていくしかありませんが、

完璧に対策して完璧に回答するというのはほぼ不可能で、

満点を取ることはほとんど期待できない科目です。

このため、ある一定以上の理解度・知識定着度に達すると、

他の受験生に差をつけるために、膨大な勉強時間が必要になります。

なぜなら、対策すべき考察問題の出題方式多彩であるわりには、

勉強した・対策した問題が本番で出るとは限らないからです。

つまり、学習効果が非常に低いということです。

そしてまた厄介なことに、その学習期間に対応したことのある問題の種類が

試験当日の出題と合致するとは限りません。

なぜなら実に多彩な問題を、すべて事前に対応することなど、ほとんど不可能だからです。

だから、医学部編入は運による要素がある、などという噂がまかり通るんでしょうけど・・・合格するかどうかは、あくまでこなした問題の広さに比例した確率論です。だから勉強すればするほど合格「確率」が高まります。決して丁か半か、といった「運」ではないことを覚えておいてほしいと思います。

だから、生命科学一本で勝負する人が合格するためにとる方策は、

考察問題への対応パターンをできるだけ増やして(=ひたすらいろいろな種類の問題を解いて)、

当日にできるだけアタリを引く確率を高めることだけです。

だから、KALSにはワークブックという不毛な書があるのでしょうね・・・

もしあなたが、勉強する科目数が少ないからという理由で

2科目型での受験を選択した場合、

必ずこのパラダイムにはまります

つまり科目数は減っても総勉強時間は意外と減らず

さらに学習効果は低い。

一方、4科目型を選択した場合、

生命科学の学習は知識習得&最低限の本番形式への慣れにとどめておいて、

他の科目(物理・化学)の定着に全力を挙げる

という方法で合格を狙うことも十分可能です。

どちらがよいかは、あなたの考えにもよりますよね。

あなたはどちらがよいですか?

ちなみに、一般入試で、

理系難関大学を目指す受験生は多くが生物を選択せず、物理・化学選択が多数派ですね。

これは、上記の生物のパラダイムにはまらないためです。

日本の高校生って、本当に賢いですよね^^;

物理の成長曲線

物理の成長曲線は、指数関数型を示します。

物理は、生命科学と異なり、少々癖のある科目です。

特徴を列挙すると、

  • 教科書や演習書を読んで、理解した気になってはダメ。必ず手を動かす
  • そもそも理解が難しい。理解はあと、解法が先
  • 数式展開や問題の形式を暗記(パターン暗記)するつもりで演習することで、道が開ける

これはどういうことかというと、

学習初期では全く(ホントにまったく)点数が取れない、ということです。

だから、勉強している最中に模試を受験しても、

自分はどれだけ実力がついているのか?

全く実力がついていないのか?

というか点が取れないし、自分は物理に向いてないんじゃないか?

‥などなど現在の自分の実力が判別できないばかりか、

自信を失うことにもなりかねません。

これが、人々に物理は難しいと思わせる大きな原因です。

だから、これが嫌で物理を捨ててしまう人が実に多いです。

高校の選択においても、医学部編入においてもです。

まあ、実際やってみればわかりますが、

一人でやっていて、身になっているかどうかもわからないですしね。

しかも難しいし面白くもなんともない。

こんなんで、モチベーションが下がらないほうがおかしいですよね。

ですが、僕は、

この状況は非常にもったいない、と思っています。

たしかに、学習初期は点が伸びないわ、理解できないわ、

とにかく解法を暗記しているようなもので、

一見苦行とも思える作業をひたすらこなすかのようです。

つらいです。

しかし、物理は数式展開や問題の形式を

暗記するつもりで演習すると、道が開けます。

そもそも理解が難しいので、例題レベルが多いです。

また、考察するのではなく、有限個の開放パターンと数式導出パターンが組み合わさった問題を、

計算して解くだけなので、確率的要素が非常に低い科目と言えるでしょう。

極めると安定した得点源として期待できる科目です。

一通りの問題をこなした後は、確実に点数を取るために時間内に解き終わること、

そしてケアレスミスをしないことが大切になってきます。

この領域に達すると、満点を取ることも夢ではありません。

(生命科学と異なり、物理は出題によって満点を狙える科目。これは覚えておきましょう)

(現に、過去に阪大の物理では100点や95点を取った方がいらっしゃいます)

だから、物理を受験科目に入れる、と決意した人には、

ぜひ演習書の例題を繰り返す、ということを究め上げてほしいと思います。

そんなに難しいことはありません。やるべきことをやるだけです。

そうすれば、必ずやあなたの力強い得点源になります。

暗記するまで究めれば、道は開ける。

これを知識として知っておくだけでも、

初期のつらい時期を乗り越えられる気がします。

未来の自分を信じさえすれば、あとはひたすら打ち込むだけ。

修行僧のようなあなたにぴったりの受験科目ではないでしょうか?^^

(有機)化学の成長曲線

(有機)化学の成長曲線は、線形です。

これは、物理学の特徴である

  • 問題を解いてなんぼ
  • 基礎問題の定着で道が開ける

と、

生命科学の特徴である

  • 知識と理解の記述力=得点力に結び付く

という要素が融合しているためです。

化学の中でもっと顕著な例が、有機化学です。

たとえば、反応穴埋め問題では、必要な能力は

  • 知識・理解の定着(生命科学に似る)
  • パターン認識力(物理に似る)

また、反応機構の記述問題であっても、必要な能力は

  • 知識・理解の定着(生命科学に似る)
  • 矢印の描き方(解法に「カタ」があるという点で、物理に似る)

ちなみに、化学の中でも数式を駆使して解く、

無機化学分析化学、物理化学(=化学熱力学量子化学)は、

物理とまったく同じ考え方で勉強することになります。

このように、

問題演習してなんぼ・基礎問題の方を覚えてなんぼという、

「物理的なところ」もあれば、

知識・理解によって得点力に結び付くという

「生命科学的なところ」もあるのが、化学の特徴です。

こういった、物理のような単純さを残しつつも、

単純に割り切れないところも持ち合わせるところが、

化学の魅力かもしれませんね。

その結果、時間に対して結構直線的に実力が伸びていくイメージがあります。

やればやるほど、「比例して」点が伸びる。

さらに、化学も出題形式として考察要素が少ないため、

究めれば安定した得点源として期待できます。

英語の成長曲線

英語の成長曲線はシグモイド型になります。

英語は非常にクセのある科目です。

たぶん、医学部編入試験で課される科目の中で最も厄介な科目と言えるでしょう。

というのも、物理のように

「基礎となるカタ(=文法・単語)と読解力が身についていないと全く得点できない」

という性質と、

生命科学のように

「ある程度のレベルを超えると伸び悩む」

という性質を持ち合わせているからです。

化学のように素直に両者持ち合わせるのではなく、

悪い意味で両者持ち合わせちゃった感じでしょうか・・・

学習初期では、単語力文法力読解力がないと太刀打ちできません。

その後、ある程度これらの能力がついてくると、それに合わせて点数が伸びますが、

それ以上は記述力話題への対応力要約力など、英語学習とは外れた多くの要素が絡む出題のせいで、

得点が伸び悩んできます。

2科目型を選択した場合、

生命科学も英語も、学習後期で学習効果が伸び悩む科目なので大変です。

2科目型ではシノギを削らなければ合格できないほどのレッドオーシャンとはいえ、

どちらも力を入れようとすると、どちらも共倒れになるリスクがあります。

数をこなせば合格「確率」が上がる生命科学のほうが、まだ対応する余地は残されている、

といったところでしょうか。

4科目型でも、さっさとキリの良いところで切り上げるのが得策です。

編入では、安定圏の英語力(ひとつの指標としてTOEIC 700~800程度)を身に着け、

本番の文章への対応力がある程度付いたと判断したら、

あとは日々の単語見返しくらいにとどめ、他の科目に注力した方が吉です。

ぶっでぃの科目別勉強時間の配分

以上の解説のなかに、成長曲線の図があったかと思います。

その中に僕のスタートラインと、最終的な到達地点も書いてあります。

さくっと読んでおいてもらえたら、あなたの受験計画の参考にもなると思います。

ぜひ^^

僕が医学部編入の勉強を開始した時点での状況と考え方は以下のようなものでした:

  • 物理と化学を究めて得点源にしたかった
  • 物理・物理化学は素人。
  • 有機化学は相当の貯金
  • 生命科学は素人。
  • 英語も基礎から身に着けなおし

これをうけて、成長曲線も加味して勉強時間の配分を以下のように決めました。

前半3ヶ月(TOEIC740達成&テストバンク完璧前)

→物4:化1:生4:英3

後半3ヶ月(TOEIC対策せず語彙力強化のみ)

→物4:化1:生2:英1

なお、KALSが外部生にも開放してくれている模試はすべて受けて、

自分に一番必要な学習は何か?を常に考えながら学習時間を微調整していました。

このように、あなたも、

ご自身の学習開始時点での実力、途中経過、成長曲線を見極め、

最適な学習時間の配分を見つけていただければと思います!

受験勉強にかける勉強時間はどれくらい!? まとめ

たいていの受験者は、

アドバンテージとなる科目数は1~2(理系科目1つ+英語)

だと思います。

その場合、合格するまでに必要な勉強時間は、

トータルでおよそ1200±200時間であることが明らかとなりました。

これは2科目型でも4科目型でも変わりありません

また、文系であっても、効果的に学習をこなす人は、上記の範囲の収まりました。

また、4科目型を狙う場合、実際は理系よりも若干の数学の学習が必要となります。

その場合も、高校で習った数学を思い出す時間を含め、100時間を予備で確保することで、

理系とそん色なく4科目型の受験が現実的であることが演繹的に示されました。

そのうえで、トータルの学習時間を、各科目にどう割り振るのかを考える際、

成長曲線を導入することがシンプルかつ高精度で割り振り可能であることを示しました。

  • 生命科学は対数型で、後半の学習効果薄、
  • 物理は指数型で、後半の究め方で安定した得点源になる、
  • 化学は線形で、知識習得と演習のバランスが重要になる(得点源にもなる)
  • 英語はシグモイド型で、必要最低限の英語力は身に着けるべきだが深追いしないこと

自分で演習問題を解いている時の感覚や、

予備校が年初開催している模試・実力テスト等で、

自分の絶対的・相対的位置を把握して、成長曲線のどのあたりにいるかを把握しましょう。

そうすれば、残りの学習の道筋が見えてきます。

理想となる学力完成度までどれくらいの時間が必要か、見えてくると思います。

これらを、成長曲線を用いて適切に見積もるようにしてください。


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